http://www.nishinippon.co.jp/nnp/lifestyle/20061103/20061103_008.shtml
俺だって地元ではちょっと知られた蝶少年で、俺の光り輝くミヤマカラスアゲハ（♂）の標本はこの世のものとは思えぬ美しさで、いまだにどこの昆虫館に行っても、あれに勝てる標本は見たことがない。しかし、雌雄型があるとは正直その存在さえも知らなかった。もしも蝶少年の俺が、通りがかった道端で、雄を表す青色と雌を表す緑色が混じった羽を持つカラスアゲハに出会ったとしても、それが雌雄型だと認識することはなかっただろう。ところがそれを一瞬で見極め、大いなる疑問を抱き、さらにそれを採集して石垣島の研究家に問い合わせるとは、山元君は末恐ろしい天才であると言わざるを得ない。俺はこの山元君に、尊敬する人は誰ですかと聞いてみたい。ファーブルなんて答えるようでは本物ではない。矢島稔と答えたら、もう昆虫関係の仕事を目指して突っ走っていただきたい。いや、名和靖なんて答えるようだったら、仕事とか関係なしに一生山にこもって蝶と戯れ、伝説の人となって欲しい。
