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Don't Feed Wild Animals !

エサ売り男とマナー婦人

美唄市宮島沼のホームページにある「水鳥にエサをあげてはイケない10の理由」です。

http://www.city.bibai.hokkaido.jp/miyajimanuma/19_houmon/8_mana_img/food.pdf
ま、そういうことなんですが、いろいろ理屈をこねても、それでも野鳥に餌をあげたいんだっていう人も世の中にはまだまだいるんです。考えたら僕だって、餌付けがイヤなのは既に理屈じゃないんです。ただイヤなの。なんというかな、シモーヌさんが正義の精神ではなくただ美しいから労働者が好きなんだというように。


こちらはウトナイ湖の看板ですが、やはりその理由とともにエサをあげないよう勧告しています。


この看板はさきほどの看板とはちょっと雰囲気が変わってきています。ウトナイ湖ラムサール条約湿地帯ですし、もうかなり前から餌付けをやめているはずですが、どうやらまだエサを売ってる人がいるようです。観光客に対して絶対エサを買わないようにと警告しています。


こっちは「注意」となっており、エサを売る人に対して、ここは市の管理用地だからここで商売しちゃいかん、警察呼ぶぞ、とかなり強い警告になっています。


しかし、そんな看板をあざ笑うかのように、そのすぐそばにそれはありました。


2個で100円です。


別の場所にもありました。


エサをまいている男性がいました。オオハクチョウオナガガモが寄ってきます。どうやら当のエサ売り男のようです。野鳥のプライドを無くし人間に媚を売るオオハクチョウオナガガモの姿を見ると理屈抜きで憐れで悲しくなります。
エサ売り男も市に警告されてまで続けるには理屈では説明できないそれなりの信念があるのでしょう。いろいろな人が彼に議論を挑んだようですが、そういうわけでただの水掛け論で終わってしまうのがオチです。市は看板で警察に通報すると警告していますが、実際にはこの程度のことでは警察は動けないようです。地方行政は結局「非核平和都市宣言」みたいなことしかできないってわけです。



エサ売り男の到着を待ちかねていたかのような観光客が、さっそくそのエサを買ってきて楽しそうに与えています。


水鳥たちへのエサやりを堪能し終えて帰ろうとした観光客が、ふと何かに気づき戻ってきました。そして水鳥たちを守るポーズをとり、シッシッと叫んでいます。


その相手はこいつでした。


別に鳥なんか狙ってねーよ、とでも言いたげにキタキツネは去っていきました。たとえもしも水鳥がキタキツネに襲われたとしてもそれは自然の摂理なんじゃないだろうか。それに、かえって水鳥を襲われやすくしているのはエサをやっている人たち自身なんだよ。オナガガモなんか駐車場にまで平気で上がってくるようになっちまってる。あれじゃ襲われて当然だね。


それから湖畔にはエサが入ってた箱が落ちているし、客がエサ入ってたビニール袋を平気で捨てていくもんだから汚いったらありゃしない。


ただ怒っているだけの僕をよそに、一緒に写真を撮っていたひとりの御婦人が、散乱しているビニール袋を拾い始めた。


別に誰に怒るでもなく、当然のことのように黙々とビニール袋を拾い続ける御婦人。ビニール袋のガサガサ音に反応して、オオハクチョウが集まってきちまった。全くこいつらときたら。エサじゃないんだってば!


このマナー婦人は拾い集めたゴミを袋に入れて持ち帰った。自分には何の関係もないゴミなのに。僕は怒っていた自分がなんだか恥かしくなりました。