オジロワシは何度も見てるけど、札幌市内の、こんなうちの近所で、あんなにゆっくりと旋回しているのを見たのは初めてだった。僕はカメラを持っていることを忘れてずっと双眼鏡で見ていた。飛翔しているオジロワシが羽を広げた姿は「長方形」に見えると教えてもらったけれども、そのときは白い尾羽の透き通り具合があまりに美しくて見とれていたので、「長方形」のことはただ「長方形」という言葉にしか聞こえなかった。
オジロワシがどこか彼方へ消え去ってしまうと、みんなから円山の主と呼ばれている山田さんが「ばっちり撮れたかい？」と声をかけてくれたのだが、僕は双眼鏡ばかり覗いていて撮影することをすっかり忘れてしまっていたので、しどろもどろになってしまった。「そりゃ残念だ」といわれて会話が終わってしまい、そのとき僕はオジロワシにカメラのレンズを向けなかったことを少し後悔した。
http://sapporo-wbsj.jugem.jp/?eid=1141
こうして山田さんの「ばっちり」な写真をゆっくり拝見して、今はじめて「長方形」の意味を理解した。
そのあと出現した二羽の猛禽は、初め僕はハヤブサかなと思ったのだけれども自信はなかった。大きい方はオオタカじゃないかという声もあがったが、結局ハヤブサのオスメスだということで落ち着いた。ハヤブサたちが出てきたのは、たしか神宮の敷地内で、七五三が近いこともあって参拝客などの人通りも多かった。数十人の中高年の団体が一斉に双眼鏡を空に向けて声を上げている姿は異様にうつるだろうなと思った。なになに、この人たちはなにを見てるのとうろたえる人も少なくなかった。でも僕はもう、そんな周りの目はすっかり気にしなくなってしまったようだ。
というわけで、僕の写真は一枚もありません。どうもすいません。最近文章を書くのがつらく、こんなことじゃいかんと思い、ウォーミングアップのつもりでなんとか書いたしだいです。
