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小鳥が自ら腸を吸収し3日間飛び続けることが判明

小鳥が自ら腸を吸収し3日間飛び続けることが判明
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/040200029/
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体重がわずか12グラムしかない極小の渡り鳥ズグロアメリカムシクイは、秋になるとカナダ北東部から南米へ渡って行く。そのルートはこれまで知られていなかったが、3月31日付けの科学誌「Biology Letters」に発表された論文によると、鳥たちは大西洋上空をノンストップで移動していることが明らかになった。
マサチューセッツ大学アマースト校の生態学者で、論文の主要な著者であるビル・デルーカ氏によると、鳥たちはまず長旅に備えて脂肪を蓄え、12グラムの体重を16グラムまで増やすという。なかには、体重が倍に増える鳥もいる。「基本的に、彼らは羽をもった小さなミートボールです」とデルーカ氏は言う。次に、余分な体重を落とすため、旅に必要のない腸などの内臓を自ら吸収してしまう。そして脂肪、羽、筋肉だけになった鳥はいよいよ貿易風に乗って南の国を目指して飛び立つ。

ズグロアメリカムシクイの意外にかわいい写真が目に留まり拾ってみたニュースです。こんな鳥が、万一にも日本に迷い込んだりしたら、もう鳥ヲタは垂涎ものですよね。

ところで、僕はどうもこの「腸などの内蔵を自ら吸収」という部分が、いくらなんでも信じがたかったので、原文をあたってみました。

たぶん、これ↓だと思います。

Transoceanic migration by a 12 g songbird | Biology Letters

残念ながら僕の環境で無料で見ることができるのはアブストラクトと主要な図表だけでしたが、背中に軽量の計測器を鳥の背中に取り付けて(しかし体重12gの小鳥に取り付けるというだけでもたいへんな技術だと思います)、飛行ルートを詳細に検討した論文のようです。

それによると、だいたい2270から2770kmの行程を約3日間でノンストップで渡るようです。

しかし、データは僕の見る限り飛行に関するものばかりで、まあフルテキストを見ていないのでなんともいえませんが、「腸などの内蔵を吸収」のくだりはこの研究とは関係ないように見受けられました。以前にそういう研究があったとか、あったとしても、実際に重要臓器が吸収されてしまっては生きていけるとは思えず、脂肪組織の増大によってそのように見えるみたいな、比喩表現が、マスコミによって誇張されてしまった可能性も考えられると思います。

もし詳しい方がいらっしゃったらぜひご教授ください。