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Don't Feed Wild Animals !

ぴょこん、ぴたん、ぺったんこ

以前、アオサギが大きなカエルを捕まえたところに出くわした。慌ててシャッターを押しまくった。アオサギがカエルを咥え直すと、大きな目をしたカエルがこっちを向いた。カエルと目が合っちまった。アオサギがもう一度咥えなおすと、カエルは頭から飲み込まれ、後ろ足だけが見えた。アオサギが上を向いてもう一度ごっくんと嚥下運動すると、カエルはすっかり見えなくなったが、アオサギの細い首がわずかに膨らんでいるので、そこにまだカエルがいることは想像に難くなかった。不思議なことにサギたちは必ず獲物を頭から飲み込む。何か理由があるのだろうか。
この時の連続写真を見ると、こっちを向いて飲み込まれる寸前のカエルの目にバッチリとピントが来ている一枚があった。自分では気に入っていたのだが、一般的にはちょっとグロい写真だと思うので、お蔵入りにしていた。しかし最近、ある雑誌の写真コンテストの審査委員が宮崎学さんになったので、投稿してみることにした。宮崎さんは動物写真家の中でも社会派というのか、生態や環境が有している問題を浮き彫りにするような写真を撮る。例えば動物の死体が土に帰っていく過程を撮り続けた写真集などがある。「日本の鳥」の審査員になったときは、それまでの花鳥風月的な、つまり芸術的で美しい写真に対して疑問を投げかけ、その結果、猛禽が他の鳥を食している写真など、まさに鳥の生態を目の当たりに表現した写真がたくさん入選した。それで、宮崎さんならちょっとは評価してくれるかもしれないという淡い期待を抱いたのである。
しかし、写真のタイトルが考え付かなくて困った。ネット生活の弊害というのか、「もうだめぽ」とか「やさしく食べてね」とかしか思い浮かばないのだ。pya!にでも掲載されるのならそれでいいんだけど。「ひとおもいに飲み込んで」「噛まないで飲んでね」「ずっと呪ってやる」「来世はサギになりたい」。どうしてもカエルの身になったタイトルしか出てこないのが不思議だ。結局、何のひねりもない「アオサギ」というタイトルにした。
そういえば、昨晩、帰宅の途中、道路の真ん中に押しつぶされている鳥の死体を見た。自宅に帰ると、カミさんも午前中に鳥の死体を見たと言う。話を聞くと、それは俺が見たのと同じ死体であった。カミさんが見たときはまだフレッシュな状態だったので、それがカルガモだと判別できたそうだ。俺が見たときは灰色の押しつぶされた物体でしかなく、かろうじて鳥だろうなと想像できる状態であった。
今日再び同じ場所を通ると、すっかりアスファルトに同化していた。一瞬写真に記録しようかと思った。でもまたタイトルに悩むだろうな。そう思いながらいろいろとタイトルを考えようとしたけれど、「ぴょこん、ぴたん、ぺったんこ」しか思い浮かばなかった。

そのカエル@アオサギの写真を見たいという人がいるんだけど、根が親切なので頼まれるとイヤと言えないです。カエル嫌いな人はすごく気持ち悪くて見たくないだろうし、カエル好きな人は可愛そうで見てらんないだろうし、カエルに興味ない人は別に見たくもないだろうから、見たいという人はカエルさんのことをどう思ってる人なんだろう。心臓の弱い人は見ないでください。あーあ、知ーらない。
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