現在の埋立地には晩夏にたくさんのシギチドリ類が訪れ、しかも各地の干潟と比べるとかなり近くで観察できるので、とても貴重な場所だった。ここで見た珍しい鳥の名前をちょっと思い出しただけでも、ヘラシギ、サルハマシギ、ツバメチドリ、ハジロコチドリ、ヨーロッパトウネン、オオメダイチドリ、あと俺は見てないけど、オジロトウネンやシベリアオオハシシギなんかも来てたそうだ。つーか、俺はここで初めてシギチドリを見た。トウネン、アオアシシギ、アカアシキシギ、キアシシギ、コアオアシシギ、ソリハシシギ、オオソリハシシギ、オグロシギ……。アホなこと言うなと言われるかもしれないが、正直なところ、これでこの街に留まり続けるモチベーションが大きく削がれたことは間違いない。