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白鵬と朝青龍の立会いの変化について

http://interestedin.seesaa.net/article/36882826.html

何とも対照的な光景だった。立ち合いの変化で優勝を決めた白鵬が派手なガッツポーズを作る。かたや、朝青龍は悲しそうな視線で訴えるが、15分前に自分が取った戦法だったことを思い直すと、苦笑いを浮かべるしかなかった。

まあ、いろいろと言われているようだ。がっぷり組んだ大相撲が見たかったとか。白鵬朝青龍も全く悪びれるところはなく、白鵬なんかガッツポーツで大満足している。また、横綱が立会いに変化するとは何事かという声もあり、モンゴル人は大相撲を理解していないという意見ももちろんありえよう。
ところが冷静に考えてみれば、横綱が立会いに変化してはいけないというルールはもちろんない。相撲とは、誰が合図をかけるわけでもなく、お互いに敵であるはずの相手にタイミングを合わせて立つという、世界に類を見ないスポーツだ。だから相撲の立会いには、一見とても紳士的なものを感じる。だが、逆に立会いの微妙な駆け引きというのも存在する。一見紳士的に見えて、実は立つ前から騙し合いは始まっているのである。さらに、一度立ってしまえば、あとは変化してけたぐろうがはたきこもうが猫だましを打とうが、それは正当な作戦であり、相撲の醍醐味のひとつともいえる。
皆さん、モンゴル相撲はご存知だろうか。モンゴル相撲は、がっぷり組んだ状態から試合が始まるのだ。だから、立つ前から、厳密にいえばさらに前の千代大海戦から始まっていた両者の立会いにかける壮絶な駆け引きは、モンゴル相撲には無い、まさに日本の大相撲ならではのものであったのだ。そういう意味で、白鵬朝青龍は、すでにモンゴル相撲を卒業し、完全に日本の大相撲というものを理解しているともいえるのだ。
追記:理解と誤解は紙一重