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中学生向け科学セミナー マウス解剖中止に思う

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20070915/CK2007091502048940.html
雅楽多blogKU。科学離れを懸念しての中学生向けのセミナーで、ツボカビ病の影響で昨年までのカエルの解剖をマウスに替えたところ、動物保護系の市民団体からの抗議で中止になったそうな。ま、皆さんいろいろな意見をお持ちでしょうけど、俺は、昔、某大学の生理学教室で働いているとき、中学生を招待してラットのランゲンドルフ灌流摘出心臓を見せたことを思い出した。ランゲンドルフというのは生物科学系の方ならご存じでしょうが、心臓は摘出しても灌流さえしていれば拍動し続けるものなのです。そしてカテコラミンやアトロピンを投与すると心拍数が変化するという基本的な実験を見せて、心臓という臓器はそれ自身が持つ自動能によって運動しているのであり、脳に支配されているのではないということを理解して欲しかった。もちろん、わざわざグロな場面を見せる必要はないと思ったので、摘出は中学生たちが来る前に済ませておいた。ところが、そのとき数人の中学生から「心臓を取り出されたラットは今どこにいるのですか」とか、「この心臓は後でラットに戻すんですよね」というような質問が出て面食らった。この子たちは、市内で一番の進学校の生徒たちで、医師を目指している子も多かった(そうでなけりゃわざわざ俺んとこなんか来ないわな)。今頃はもう大学を卒業しているかな。みんなどのような道に進んだのだろう。