カラスと聞くとすぐ攻撃されると思う人がいる。その時点で自分がカラスに対して無知であるということを全く問題にしない。それこそが問題だ。
人を襲うのはハシブトガラスであることが多く、それも営巣期間中のことだ。たしかにハシブトガラスは営巣期間全般に渡ってかなり神経質になるが、いきなり攻撃することは少ない。必ずその前に威嚇行為があるはずだ。
実は今、うちの近所で、カラスが営巣するから木を切ると騒いでいる一団にやれやれと思っているんだけれど、ここ数年その木に営巣しているのはハシボソガラスだ。ハシボソガラスは巣立ちのときはちょっと神経質になるけれど、ハシブトガラスほどではなく、めったに攻撃はしてこないと思う。
それから人間の餌やりも問題だ。近くの公園でカラスにエサをやるのを生きがいにしているばあさんがいる。こないだ池でカモにパンをやっていた男はついでにカラスにもパンを投げ与えていた。餌付けに慣れたカラスはエサを争って凶暴になるし、人を見るとエサエサと思って近づいてくる。
結局、その辺の人はカラスごときで思考することはない。害鳥だから事務的に処理すればいいと思ってる。その木のある管理者に問い合わせても、苦情がきてるので切る、の一点張りだという。
