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Don't Feed Wild Animals !

あそこにいますよ

カメラ持ってる人とすれ違うと、何撮る人なのかを類推する。こっちは、特別な場合は500mm+テレコン+三脚ってこともあるけれど、大抵APS-Cのカメラに400mmのズームをつけて歩いてる。標準以下のレンズの人はまずスルーする。向こうもこちらに関心を示さない。たぶん、人物や風景を撮る人だろう。
次に、APS-Cのカメラに200-300mmというのは微妙である。僕のフィールドの場合、リスマニアであることが多い。APS-Cに400-500mmでもリスの場合もある。もちろん、野鳥の場合もあるけれど、野鳥のどこまでか、という問題もあって、なかなか話を始めるきっかけが難しい。
APS-Cにシグマの500mmズーム付けてる人が、こちらが何マニアなのか判然としないままに恐る恐る話しかけてきた。「シマリスいましたよ。」ああ、彼はリスマニアだったのか。シマリスかあ。ついに冬眠から目覚めたんだなあ。まだ雪だらけなのに。でもこちらはシマリスには興味ない。ないっていうか、シマリスとエゾリスは、いつ来てもいるもん、あいつら。「あ、ひょっとして」「すいません、鳥系なんです」「鳥系ですか。」で、鳥のうちの何ですかという話には当然ならなかった。
次に、数人の男性が1本の木に群がってしきりにシャッターを切っていた。双眼鏡で見るとウソのメスだった。タダウソのメスである。タダウソというのは、アカウソでもベニバラウソでもない、ただのウソだということである。「あの木にたくさんいますよ」と、フルサイズカメラにシグマの500mmズームの人が近づいてきた。フルサイズにシグマ500mmズームも微妙である。野鳥オンリーの人ではないような気がする。野鳥オンリーなら、フルサイズならばズームじゃなくてもっとしっかりした単焦点を三脚付きでつけるだろうし、機動性を重んじるならAPS-Cか最近ならフォーサーズで300mmを付ける(35mm換算で600mm)のが流行ってる。「ええ、知ってますよ。全部メスですね」というと、「メスですか。じゃあ、綺麗じゃないほうですね?」と聞かれた。ということはやはり、野鳥マニアってわけでもなさそうだ。

結局、「今日はハギマシコ、マヒワ、イスカあたりを狙って来たんですが、見かけませんでした?」とは誰にも聞けなかった。