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80年代の幕開け

実験室にM女史のものと思われるYMOのベスト盤があったので、無断で拝借して聞き入った。教授の選曲でリマスタものらしい。教授の解説がどことなくウェブ日記風で微笑ましく感じた。俺は札幌でサウンドストリートの公開録音があった時も参加したほど教授に傾倒していた時期もあったが、YMOフリークではなかった。しかも、当時すでに、俺の興味はジャズやフュージョンに移行してしまっていた。だけど、BGMは買った。聞いて良かったとかではなくて、これは買わなきゃいけないアルバムだと思った。だから買った。
そのBGMに収録されている名曲、U.T.をこのベスト盤で久しぶりに聞いた。今聞いても背筋が震える。俺がせっかく心の奥底に隠した不安を、わざわざ探し出して掘り起こしてくれるような周波数と韻律。3人が本気を出すと、これほどまでにスゴイのか! と、昔の感動が蘇り、そしてそれが頂点に達したとき、突然とぼけた座談会が始まるのだった!
細野「どうも、え〜司会の細野です。 出演はイエロー・マジック・オーケストラ高橋ユキヒロさん、それと坂本龍一さんです。 どうも」
坂本・高橋「どうも」
細野「え〜 まずは高橋さんから伺いますか。」
高橋「はい」
細野「UTという言葉をご存知じじじじ」
高橋「え〜 YTなら知っていますが、UTは初めて聞きました。」
細野「そーですか。坂本さん、UTとはどういう意味ででで」
坂本「UTとは超地球的存在です。」
細野「そーですか。ところでこの曲の高橋さんのドラム凄いですね。」
高橋「ええ、すごいんです。」
細野「じゃあBGMのこの曲、お聞きになりますか?」
坂本・高橋「まさかっ!」
この曲の凄まじさをあえて台無しにする座談会の挿入。これは、本気だとか、マジだとか、根性だとか、努力だとか、汗臭いとか、そういうことは全部カッコ悪いことだった80年代、その80年代文化の幕開けを象徴している曲だったんではないか、そんなことを今さらながら考えた。

UC YMO [Ultimate Collection of Yellow Magic Orchestra] (通常盤)

UC YMO [Ultimate Collection of Yellow Magic Orchestra] (通常盤)


ところで、YTってなに? ユキヒロ・タカハシ?